はじまりのはじまり | ラギと黄昏の竜
Posted on | 8月 29, 2009 | 1 Comment
見渡す限りの荒野であった。
紅茶色の大地。乾いた風。
視界の届く範囲に草木は一本も見当たらない。湿気の含まない切実な突風が吹けば、それは見て取れる勢いにも増して轟音を発生させた。
そこに大きな岩がある。巨大にしてたくましいその岩陰から、ちっちゃな頭がひょこんと飛び出した。ごつごつした岩には足場となる突起がたくさんあり、ちっちゃな頭の持ち主はそれの一つをぐっと掴まえて、ゴーグルを装着した虫みたいな目を小動物のように躍らせた。
辺りを見回し、ゴーグルをしたちっちゃな人は、にじり寄るように岩を這い上がった。旅を重ねたと思しきその服は、ちょっとやそっとの暴風では舞い上がることもなくその人をそこに固定する。
その人は、背中にしょっていた長い筒のような銃を取り出した。銃床を脇でがっちり固めながら微調整をし、おもむろにゴーグルを持ち上げる。
綺麗な目、とても澄んだ眼をしていた。まつ毛も長い。
その人は、女性、いや、そう呼べない若さの少女だった。
彼女は、照準すらない銃で静かに狙いを定めながら、慣れた手つきで銃弾を流し込んだ。撃鉄を上げ、いつでも撃てる状態にする。
深呼吸を一度だけ、した。
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9月 3rd, 2009 @ 11:10 AM
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